なかなか難しいモンダイです。
家相というものはそもそも古代中国から江戸に伝わり、さらに江戸から日本全国に広がっていった風習です。
読んで字のごとく、家の方位や間取り(家の相)でその家の吉凶を判断するものです。
表鬼門、裏鬼門などはその代表格で、どなたも聞いたことがあると思います。ちょっと分かりにくいかもしれませんが簡単に説明します。
表鬼門は北と東の中間(北東45度の範囲)を言い、表鬼門の反対側、つまり南と西の中間(南西45度の範囲)を裏鬼門と言って、その範囲に台所やトイレ、浴室等の水回りを設けることは凶とされ、忌み嫌われてきました。
トイレがまだ水洗ではなく汲取り式でであり、台所には食物を保存する冷蔵庫もなく、風呂の湯は薪で焚き、気密性のあるサッシもなかった時代の話です。
冬に北から吹き、夏に南から吹く風は汲取り便所の臭気と台所で腐敗した食物の臭いや浴室に生えたカビ等の健康によくないものをのせて家中に運び、不衛生でした。
また、冬の風や夏の風は風呂の焚口の火の粉を乗せ、まき散らして火事を発生させたり、隙間風によって浴室や脱衣室、便所に温度差を起こして心筋梗塞や脳卒中を引き起こさせたりも少なくなかったようです。
『家相学』は子孫の健康と繁栄を願った先人の知恵です。
頭ごなしに「そんなものは迷信だ!」嫌う必要はありませんが、「なにがなんでも家相第一!」と盲信する必要もないのではないでしょうか。
現在は冷蔵庫も換気扇もオール電化機器も浄化槽もボイラーもあり、前述の弊害などもよほど生活の仕方がデタラメでない限りそのようなことは考えにくい時代です。
要は気持ちのモンダイですから、それほど気にならないのなら気にしなくてもいいでしょうし、最低限のことだけは守りたいということであれば、たとえば「北東のトイレだけはやめとくか」というふうに限定して考えてもいいのではないでしょうか。
なぜなら、東西南北の方位を24に区分し、割当てられた部屋の通りにプランした家に住むとなると、あきらめなければならない夢や希望や喜びがあまりにも多過ぎ、それはまたあまりにも悲しいことだからです。
「家相第一、間取りは二の次」の方や子供が受験に失敗した、夫が事故にあった等々、身に起こったすべてのメガティブ面を家相のせいにしそうな方は家相をみていただく先生に設計を依頼された方が落ち着くのかもしれませんね。
また、風水は「気」とよばれる天地のエネルギーを活用する方法で、土地や建物の気の流れやパワーをみて、うまく流れ、うまく回っているかを『風水師』がみるというもので、東に赤で仕事運がアップし、西に黄色で金運に恵まれるというありがたいものだそうです。
ものの本によれば「心理的な効果はあっても風水のお陰ではない」のだそうで私たちにはよく分かりません。 |